b3d3035b0fde98fde1b94f0e50a5d394.png

「急にモノが2つ見えるようになった」と当店にいらっしゃる方が
最近、増えているように感じます。

モノが2つ見えるようになると、当然不自由です。
例えば運転していても車線が2つ見えるわけですから
こうなると、車の運転も命懸けです。

では、なぜモノが2つ見えるのか?ですが
普段は右眼と左眼が同じところを見ているから
眼が2つあっても映像は1つに見えるのです


しかし、右眼と左眼がそれぞれ違う方向を向くようになる
映像が2つ見えるようになります

このように2つの眼が上手く同じ方向を向かなくなる
眼の状態を「斜視」とか「斜位」と呼びます

ご自身の右眼と左眼がどっちを向いているかを調べることで
まずはご自身で今の眼の現状を理解していただくことが必要です

モノが2つ見える眼の状態には
その眼が向いている方向によって
下記のような3つの種類があります


「外斜視」
左右の眼、もしくはどちらか片眼が外側を向いていて
見たい方向に2つの眼が寄せることが出来ない

程度の差はありますが、下記の図のような眼の位置になります


「内斜視」
左右の眼、もしくはどちらか片眼が内側を向いていて
見たい方向に2つの眼を広げることが出来ない

程度の差はありますが、下記の図のような眼の位置になります
最近の特に若い人に、このような寄り目っぽい症状が増えているように感じます


「上下斜視」
左右の眼、もしくはどちらか片眼が上、もしくは下を向いていて
見たい方向に2つの眼が寄せることが出来ない

程度の差はありますが、下記の図のような目の位置になります


モノが下記のように2つ見えるようになった場合
大半の方が睨んで1つにしようとしますが
これは「外斜視」か「内斜視」かわからない状態では要注意です


「内斜視」であれば睨めが睨むほど、その距離は離れていきます

睨めば1つになると思っているのに、眼の前のものはどんどん離れる
自分の頭で思ったことと、全く違うことが起こるわけですから
運転中であればパニック状態になる場合もあります

この寄りのまま戻せなくなり、映像が2つに見えるとこが続くと
余りに不自由なので下記の図のように
さらに寄り目をして片方の眼の映像が見えないようにする方もいます

 

この寄り目をし過ぎて、片眼を使わない状態が長く続くと
いろいろな身体的なトラブルが出始めます

両眼だからこそ出来ていたことが出来なくなります

・奥行きを感じ取る能力が極端に低下します

・両眼だと左右に180°以上の視野がありますが
 片眼になると左右の視野が狭くなり、周りが見えないのでよくぶつかったりします

・右眼と左眼の間が自分の身体的な感覚の中心だったのが
 片眼になることで身体の中心の感覚がどちらかの眼に極端に偏ります
 そのことで、顔を右や左に捻って見る癖が付き
 頸椎の歪みにつながり、慢性的な首、肩のこりにつながります


モノが2つ見えるのはどの状態の眼か分かれば
今度はその左右の眼のズレている量を測定して
そのズレをレンズで揃えるための「プリズムレンズ」と呼ばれるレンズで
眼の向きをコントロールして揃えていきます

2つの眼のズレを揃えるプリズムレンズには
どの向きに揃えるかのプリズムの方向と
2つの眼を揃えるためにはどれくらいのプリズム量が必要か
プリズムの方向とその量を測定する必要があります

この両眼の向きと量を測定する方法に
ドイツ式両眼視機能検査やアメリカ式21項目などの
検査方法が用いられます

このようにプリズムレンズによって
2つの眼のズレを修正して揃えてあげれば
モノは1つに見えます

ただし注意しなければいけないのは
これは対処療法でしかないのです


特に問題なのは「内斜視」です

寄り目のままでモノが2つ見えて困っているので
プリズムレンズで1つに見えるようになると
治ったと勘違いされるのですが
寄り目(内斜視)にプリズムレンズを入れて
1つに見えるようにするということは
その眼鏡を使い続ける限り寄り目のまま生活することを意味します


寄り目をし続けることは眼と身体にとってかなりのストレスです
試しに眼の前10センチほどのところにペン先を置いて、ペン先を見続けてください
結構しんどいはずですよ

 


では、なぜ、寄り目の状態で固まってたのか?

それはスマホやパソコンなど近くを見続けるために
眼の周りに付いている筋肉で眼球をスクリーンに向けて
引っ張り続ける必要があります

この眼を筋肉で内側に引っ張り続け、寄り目をし続ける時間が
あまりにも長い場合、眼の筋肉か筋肉をコントロールする神経がおかしくなり
寄り目から眼が戻らなくなるのではないか、と考えます
その結果が内斜視として現れるのです

ある日、突然、ものが2つ見えるようになる場合は
急性内斜視と呼ばれ、この症状は増え続けているようです

ある種の現代病とも言えるかもしれませんね

現在、この2つにものが見え始めた方への
対応が出来る測定技術を持つ眼科、眼鏡店が少ないのが現状です

2つ見える状態を乱視と勘違いしている測定技術者もいます

内斜視が原因でものが2つ見えていると判断出来る技術者もいますが
現状の寄り目で固まったままの眼のズレをプリズムで1つにしてるだけの場合がほとんどです
プリズムレンズでものは1つには見えるようにしても
それはあくまで対処療法でしかなく寄り目のまま生活するわけですから
その過剰な緊張状態が毎日続くと眼や身体の健康状態に問題が出始めます

必要なことは、現状の症状にただ合わせるだけのレンズではなく
過剰に緊張した眼の筋肉を緩め、眼が元通り外に開くことが出来るよう
本来の健康な状態に戻すことがお客様の眼と身体の健康にとって一番大切なことと
当店では考えております


スマホやパソコンを長時間見るようになった現在は
今まで通りのただ遠くがよく見える眼鏡やコンタクトレンズだけでは
対応出来ない時代に入ってきています
その急激な生活環境の変化に眼や身体に不調を訴える方が増えていますが
従来の測定方法では対応が出来なくなって来ています

今、必要なのは、眼と身体に負担が掛からないよう
眼を守る眼鏡が必要な時代です


気になる方は測定だけでも結構ですので
皆様の測定のご予約お待ちしておりますm(_ _)m